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2016年07月19日

「礼文島・利尻島をゆっくり散策」(応化・37年卒)

 特急「サロベツ」は原生林の間の単線の線路を北上している。鹿が二度、三度と線路を横切り、そのたびに汽車は速度を落とし警笛を鳴らして挨拶する。最北の駅、稚内駅はもう間近だ。前日のラベンダーが咲き始めた富良野から旭川を経由して稚内までの5時間余りの鉄道の旅。本州は今、夏真っ盛りだが、ここ宗谷の夕暮れ時は肌寒い。

 我楽多会(応化37年卒)の有志による1995年からほぼ5年ごとに行っている海外旅行も、今回は7月3日から8日にかけて最北の島、「礼文島・利尻島をゆっくり散策」する旅に出かけた。参加者は賀代、久保田、富永、戸嶋夫妻、松井、三木の7人。

 あくる日早朝、フェリーで礼文島にわたる。早速、知床からの桃岩展望台コースに向かう。中腹まで登るとそこは一面のお花畑。向かいには利尻富士とも呼ばれる利尻山が雲間から顔をのぞかせ、歓声が上がる。写真を撮っている間にみるみる晴れ間が広がり利尻山の全容が姿を現した。 高木がほとんどないため利尻山を背景にレブンソウ、キンバイソウなどの高山植物が一面に広がる。桃岩展望台を経て礼文林道コースに入りアルプスのエーデルワイスの仲間であるレブンウスユキソウの群生地まで寄り道をして香深(かふか)まで降る。

 翌日は最北端の岬、スコトン岬までバスで行き、ゴロタ岬、澄海岬をめぐる岬めぐりコースを歩いた。展望のよい登りが続き、岬にはオオハナウドやエゾカンゾウなどの花が咲き乱れ、岬に抱かれた海の色は透き通り青く輝いている。コースの途中に礼文島固有種でランの女王とも讃えられているレブンアツモリソウ群生地があったが、残念ながら花期が終わっていて見ることができなかった。
夜は満天の星空。三木君の解説で七夕の前日の天の川を見る(薄雲がかかっていたためか織姫、彦星は見つけることができなかったが)。

 次の日は午後のフェリーで利尻島にわたり、鴛泊(おしどまり)のホテルの自転車を借りて姫沼までサイクリング。普段、自転車に乗りなれていない人がいてサドルの高さ調整にも手間取るなど想定外のことがあったが、何とか無事往復することができた。姫沼の周囲には遊歩道が整備されていて森の奥にはポン山が見え、姫沼の景観に花を添えている。

 ホテルの夕食にはうにみそなどのうに料理がだされ、昼食に食べたうにどんぶりと合わせてコレステロールを気にしながらも北海道の海の幸を満喫できた。
あくる日は最後の仕上げだ。朝5時半にホテルの近くの海に突き出たペシ岬に向かう。吹き飛ばされそうな強風の中、杭や岩にしがみつきながらなんとか登頂するも岬が揺れている。展望を楽しむのもそこそこに、やっとの思いで下山。ひと風呂浴びて朝食後、稚内へのフェリーに乗り込む。

稚内空港でそれぞれの帰路に就くため握手で別れたが、皆の顔は満足感にあふれていた。

(久保田 記)

20160719handaikagaku