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会長挨拶


同窓会会長 安藤 孝夫

 新年明けましておめでとうございます。平成29年度の大阪大学工学部・工学研究科化学系同窓会 [会報49号] の発行にあたり、ご挨拶申し上げます。旧年中は、本会の活動に対し格別のご理解とご協力を賜り、誠に有難うございました。本年も会員の皆様のご支援ご協力のもと、会員相互の繋がりをさらに強化し、活発な同窓会にできればと考えています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 昨年を振り返ってみますと、アメリカ大統領選挙では共和党トランプ候補が大激戦の末、勝利を収めるという、6月のイギリスのEU離脱決定を上回る衝撃的な出来事がありました。従前の予想以上に、目の前の閉塞感を打破したいというアメリカ国民の強い思いが、政治経験の乏しいトランプ氏を大統領に押し上げましたが、米国と同じように、英国、イタリア、オーストリア、フランスなどヨーロッパでも、既存の体制・EUに反対するポピュリズム・排外主義が勢力をのばしており、世界の政治経済の先行きは予断を許しません。

 トランプ次期米大統領の言動や米国の利上げを背景に、米国経済への期待感が膨らみ、株高・ドル高円安が進み、輸出型企業等にとってフォローの風が吹いています。本年は米国経済に世界経済が引っ張られ、安定した状態になってくれればと期待しますが、期待先行の危うさを感じます。先行き何が起こるかわかりません。我が国企業は、いかなる環境においても外部環境に一喜一憂することなく、働き方改革、構造改革などによる生産性・経営効率の向上を一層進め、そして予測や前提条件にこだわらず、現実を直視して、スピーディかつ柔軟に対応していくことが重要になってくるのではないでしょうか。

 さて、我が国をめぐる環境は、急激な少子高齢化による生産年齢人口の減少、海外企業との競争激化、人工知能やIoT(Internet of Things)の発展による社会・産業構造の変化などにより、急激に変化しています。このような環境下、日本がまた強さを取り戻すためには、従来、日本が得意としてきた「ものづくり」をさらに深めるとともに、グーグルやアップルに代表される「顧客がそのものを使ってやりたいこと、感動や喜び」を与える顧客目線の「ことづくり」と、それの実現に必要な「グローバルに通用するひとづくり」が重要になってきます。そして、そのモノづくり、ことづくりのためには、化学が欠かせませんし、化学素材で今後更なる差別化が期待できます。化学産業はもっと自信を持たなければならないと思います。

 私たちの出身である化学系教室には、研究開発競争の環境変化が世界的に進む難しい状況下ではありますが、激動する時代の流れを掴み、優れた研究成果を創出し、社会に貢献し続けていただくことを期待しております。我が国においては、オープンイノベーションの推進、産官学連携が益々重要になってきていますが、同窓会には、その本懐である会員相互の親睦はもとより、産学官連携の潤滑油としてより活発な活動が期待されます。本会会員の皆さまには、これまで以上に積極的に本同窓会行事へ参加していただき、そして、参加の際には、同期生同士の声かけを密にし、幅広い企業で活躍される卒業生の参加を促していただくとともに、各卒業年度のクラス会機能を活性化していただくなど、私たちができるところから一歩ずつ進めていきたいと思っています。

 末筆ではございますが、会員の皆様の益々のご支援、ご指導を賜りますようお願い申し上げるとともに、皆様のご健勝と一層のご活躍を祈念しまして、私のご挨拶とさせていただきます。

以上